『マインドハッキング』ワイリー ①

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『マインドハッキング』。衝撃的だった。これが単なるサイエンス・フィクションだったら、もっと無邪気にスリルを楽しみ、読み終えたら人類の未来についてのさまざまな可能性に思いを馳せ、ちょっと賢明になったかのような気分に浸れたかもしれない。
けれど、これは現実に起こった出来事であり、そのあまりのことに呆然とする。しかし、私は自分のプライバシーについて早々と白旗を揚げてしまう気分になってしまったので、気持ちをプラスの方にかろうじて保つことができているようだ。

これまで違和感を感じてきた報道の節目節目について、あぁ、あのときのあの報道やメディアの論調はこのようにして仕掛けられたものだったのだ、と納得てきたのはよかったと思う。
この本は、2019年に英語版、そして2020年9月には日本語版が出されている。私がこの本を知ったのは、Youtube「一月万冊」で清水さんが紹介していたからであり、読書家の清水さんも「今ちょうど読んでいるところ」と言っていた。2022年4月だったと思う。

陰謀論や、いかにも人権派に立脚したかのようなファッションブランドの広告だたき。他にもいろいろあるが、火のないところにも煙を立たせて、やがて本当に燃え上がらせてしまうという手法。そのようなことが誰の理(利)に適っていたのかは計り知れないが、ロシアが仕掛け人でもあったということ。西側諸国や人々の分断を着々と推進し、ウクライナにもそのような工作は行っていただろう。そういう準備をした上での今回のウクライナ侵攻であったという流れも見えてきた。今回のウクライナ侵攻は、確かに無計画や情報不足に見える部分もあるが、周到な準備をしてきたというのも事実だろう。

この本でわからないのは、中国や日本のことだ。サイバー戦となると、中国を外して語れるのだろうか?そして、日本のヘイトやダッピはどの程度Big Dataを利用しているのか。日本はデータ利用に関してはアフリカ並みに緩いだろうことは想像に難くないが、一方で、権力側にそのデータを収集し使いこなせる人材がいると想像するのもまた難しい。何となく思うのは、この流れで、日本のYahooがEUで禁止されたのだろうかということだ。そして、日本の円安の原因は、日本政府や日銀の政策や方針によるものなのだろうが、このサイバー戦に全く加われないということも大きくあるのではないかと感じている。
つまり、日本は次世代のエージェントとして全く機能しないということに加え、日本人たちが考え出してきたさまざまな最先端の技術や知識は、おそらく丸裸のまま世界に差し出され、自由に調理されていってしまうのだろう。

私は、もういい。丸裸になろう。興味があるのならどうぞ。何か不自由が起こったら、そのときに考えるしかない。考えてどうかなるものなのかどうかもわからない。——しかし・・・、フェイスブックでも、自分がクリックしたりしたことが原因で、お友だちのプライバシーもまるまる誰かに差し出してしまうことになるのだ。私一人が丸裸になるのではなく、つながっている人たちみんなをも丸裸にしてしまうことになるのだ。
そんなことを考えると、やはり途方に暮れ、諦め、開き直って生きていくしかない、と思うのだ。

 

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