『告発』カイザー、2019

これも、ケンプリッジ・アナリティカ(CA)の内幕を描いたものである。

これを、先にちょっと紹介した、ワイリーの『マインドハッキング』と読み比べるとちょっと興味深い。

ワイリーは、実質的にCAをCAたらしめた。

ワイリーは民主主義を追求する心持ちで、ビッグデータを用いた選挙対策などに関わっていった。
その心持ちを疑う気はさらさないのだが、一方で、新しい技術のようなもの(これをどう表現したらいいのかピンとこない)を追求する喜び、そして「力」を持つことへの快楽にも没入していったのだと思う。
結局、CAは、金と政治的欲望にまみれた人たちの世界征服の道具になってしまい、ワイリーはそこを去ることになる。

そのワイリーと入れ替わる形でCAに入っていったのが、カイザーである。
ワイリーは本の中でカイザーに触れているが、非常に懐疑的である。
その後でカイザーの本を読んだら、全てが言い訳に見えてくる。
これはワイリーから聞き取りをしながらゴーストライターが書いたのかもしれないな、とも思う。
全体にちょっと安っぽい。

ただし、ワイリーの本の中では説明されていないCA内部の細々したことにも触れられており、また関係者の写真資料もあったりして、それはそれで興味深い。

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