竹中平蔵『ポストコロナの「日本改造計画」』2020、PHP研究所

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竹中平蔵、PHP研究所、2020.8

彼については批判しか聞いたことがなかった。いろいろ批判を聞いて、私は彼をすっかり嫌悪していた。
それが、一年くらい前に、娘に、ちゃんと読むよう勧められ、最近また私の目のつくところに本が出されていたので、思い切って読んでみることにした。

読んで驚いた。
至ってまともなのだ。
何よりも、将来的なビジョンがしっかりと示されていることは評価できると思う。
日本の文脈で、「ビジョン」を見かけることはほとんどない。

論理は明快だ。
しかし、明快な論理の裏には、複雑ないろいろなことがバッサバッサと捨象されているのだと思う。
その中にはもちろん、彼のビジョン(おそらく書かれていないビジョンもあると思う)に反するものが入っているのだろう。

官僚主義に対する批判ももっともなものに思える。
しかし、政府主導=安倍支持にはやはり違和感を覚える。
結局、彼がビジョンとして掲げているものに向かって、安倍政権が何かしたようには思えないのだ。
むしろ、国民を犠牲にして一部の人たちが利権を貪る体制がより強固になっただけではないかと思える。
いったい彼はそこで何をしていたのだろう、という疑問が残る。

最近、ひろゆきさんを始め新進気鋭の論客たちに急接近しているような気配を、Youtubeから感じている。
次に彼が何をしようとしているのか、最初は彼に反発を感じていた様子のひろゆきさんが、彼とどういう関係をこれから作っていこうとするのか、など、今後の日本を占う上で大きなポイントになるかもしれないと思っている。

以下、メモ。
・デジタル資本主義:これに向けてインフラを整えたりすることは重要だということには強く賛成。これについての細かい設計については、今後日本のあちこちで議論を積み重ねていく必要があるだろう。
・医療・教育・公的部門のデジタル化を進める必要があるという議論にも賛成。スマートシティやスーパーシティも、少し出遅れた感はあるが、推奨するのに賛成。
・アジア諸国との連携を強化するということにも強く賛成。
・ベーシックインカムも進めていくのが良いと私も思う。
・全国の小中学生にiPad配布を主張しているが、タブレットではなくPCを配布すべきだと思う。
・生体認証を強く推奨しているが、私はこれに対してはかなり抵抗感を覚える。

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